渋谷川

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 欅坂に「渋谷川」という曲があって、なんで渋谷川なんてフィーチャーしたんだろうってずっと疑問なんですよね。サイレントマジョリティーのジャケ写が渋谷川で撮影したものだったり、欅坂というグループ自体がなぜか渋谷に縁のあるグループではありますが。

そもそも渋谷川ってただのドブ川なんですよ。どうやら相当な昔は清流だったようで、渋谷川の上流にあった河骨川という川は童謡「春の小川」のモデルらしいのですが、それも戦後の生活排水の悪臭に耐えかねて暗渠化されてしまいました。渋谷川もその多くが暗渠化されてしまい、人の目に触れぬところで流れて流れています。「時が過ぎて景色から消えても 関係は途絶えることなく」という歌詞もきっとそういうことを喩えているんじゃないかと思います。

だから、歌詞の中にある「忘れられたように都会の隅で……」っていうのはまさにその通りなんです。何年か前まで、東横線の渋谷駅が地上にあった頃は渋谷川に沿うように走っていて、子供の頃から数えきれないくらい乗っているはずなのに、あの下に川があったなんて知ったのは相当後になってからでした。

普段は全く意識していないけど、ずっとそこにあるだろうと思い込んでいたものって、いざ無くなってしまうとすごい不安になるんですよね。

ゆいちゃんずの曲が、いつかまたどこかで聴けることを祈っています。

 

Re:Mindの舞台をゆく 横須賀編①

久しぶりのRe:Mindロケ地探訪記事です。

今回もスピンオフ特別篇の中から、マッシロのメンバーたちが「犯人」を探すため市内を奔走した風景を探しに行きます。訪れたのは神奈川県・横須賀市。横須賀といえば、ハイスクール・フリート全盛期の頃には毎週のように通っていたものです。グルメスタンプラリーとかありましたよね……。駅前の「さかくら」さんのおばさんに「もちょ好きそうな顔してるわね~!」とか言われたのをなんとなく覚えています。

そんな横須賀ですが、Re:Mindにおいては重要な場所なのではないかと勝手に思っています。というのも作中において美穂の父親は神奈川県議会の議長という設定であり、美穂の父親の地元……ひいてはRe:Mindという作品そのものの舞台設定が横須賀という可能性は大いにありうるからです。「美穂の父親は地元の港湾関係の仕事を取り仕切っている」という設定もあり、横須賀港という大きな港を抱える横須賀市はいよいよ舞台としての適性が高いといえるでしょう。というかそもそも6話においてメンバーが通う学校の教師である林が、他校の生徒に暴行を加えたという事件のニュースで「神奈川県横須賀市で40代の高校教師が……」と言われているので舞台は横須賀市であることに間違いはないでしょう。

 

さて、話が逸れてしまいましたがスピンオフ特別篇においては横須賀の様々な風景が登場します。

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まずはこちら、JR横須賀駅降りてすぐのヴェルニー公園。噴水わきのベンチは、京子が父親と久しぶりに会うシーンに出てくるものです。

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海沿いを望むベンチが見える風景は、逃げる京子と彩花を追う芽実という構図で出てくるシーンのもの。柿崎芽実ちゃんが一人でダッシュするカットはなかなかシュールで可愛いしめっちゃ好きです。ヴェルニー公園ではこのようなベンチが多数置かれていますが、対岸の米軍基地とイオンの位置関係から場所はすぐに特定できるでしょう。ちなみに対岸の米軍基地に見える「DRY DOCKS」という表示は、そこがドライドッグ(水を抜いて艦船を修理できる場所)ということを示していて、ヴェルニー公園の名前の由来となったヴェルニー氏が1800年代後半に設計したものが現代でも使われている、歴史を感じさせる施設であります。

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公園の外側へ出て、道路沿いにJR横須賀駅へと向かうと愛奈が岡崎へのストーキング行為を働いた現場が見つかることでしょう。愛奈は街路樹に隠れて岡崎の動向を見張っていましたが、もちろんその街路樹も見つけることが出来るでしょう。探訪時は街路樹の下でスケッチをしている人がいて撮影を躊躇いましたので、まなふぃ氏のファンの方は是非ともご自身の足で訪れていただきたい。

 

公園を離れて横須賀中央駅の方向へ、住所で言えば大滝町へと向かいます。ここは「犯人」だと疑われた京子が彩花と芽実に追われ、市内を鬼ごっこするようなシーンの舞台となります。

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大滝町交差点からホテルニューヨコスカへと向かう道は、電柱に身を隠したり鞄で顔を隠したり京子をガバガバ尾行する芽実と彩花のシーン。写真はかなり引いたカットですので分かりづらいのですが、後方に見えるセブンイレブンがポイントです。

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一つ前の写真の道から横須賀中央駅の方向へ一本入った小路は、これは看板が出ていないので非常に分かりづらいのですが、芽実と彩花の尾行を撒くために京子が謎のカエルの置物に隠れるシーンです。13話のEDにも奥のお店の名前がクレジットされていましたね。「ねえちょっと……ねえ待ってよ!どこ行くの!?」って言う芽実ちゃんが可愛すぎるな。

 

今回訪れることが出来たのはここまでです。

横須賀にはあともう2か所ほどロケ地となった場所があり、時間を見つけてそちらの方も探訪したいと思います。あと最大の難関である、「OP・12話EDに出てくる海岸」についてはある程度あたりを付けてはいるものの、あまりにも広範囲すぎて特定できるかどうか……。

普通免許を更新したら何故か「準中型免許」になっていた方へ

当ブログの中でも以前に公開した「準中型免許新設について」という記事だけやたらPV数が多く、やはり皆さん突然の準中型免許の登場に驚かれているのだろうと思います。

そこで今回は、「普通免許を更新したら何故か準中型免許になっていて怖い!」という方に向けた記事となります。

 

まず、端的に申し上げますと……

普通免許を更新して準中型免許になった方は、特にこれまでと何も変わりません!

これはなぜかというと、免許の条件欄のところをご覧いただくと「準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る」といった呪文のような記載があるかと思います。準中型車(5t)とは何か?ということなのですが、これは車両総重量5t未満の車しか運転できませんよ!という意味です。しかし、2017年3月11日までに普通免許を取得していた人はそもそも車両総重量5t未満の車の運転は認められていますから、実質的に何も変わっていないということです。

 

ではなぜこういうことになってしまったのか、という点についてですが、以下の表をご覧ください。

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普通免許を更新したら何故か準中型免許になっていた人、これは上記の表では普通免許B(私が便宜的に名付けたものです)に該当するわけですが、準中型免許が新設されてしまったおかげで、新しい普通免許よりは運転できる幅は広いが準中型免許すべてをカバーしているわけではない……という中途半端な存在となってしまったわけです。

そこでこれまでの普通免許を自動的に準中型免許として認めつつも、車両総重量5t未満限定という条件を付けることによって、結果としてこれまでの普通免許と何も変わらない免許区分を産み出すことになった、というわけです。

 

結局これなんかメリットあんの?と思われるかもしれませんが、限定つきの準中型免許を所持していることになるので、2tロングや3tなど限定なしの準中型車を運転するためのステップアップが限定解除で済むという点があります。

準中型免許が新設される前は2tロングや3tに乗るだけでも中型免許を取得しなければならず、20万円ほど払って最低でも12時限の教習を受けなければならなかったのが、限定解除という形で済むので7~8万円ほどで最低4時限と非常にリーズナブルにステップアップ出来るようになったのがポイントです。

余談ですが、3tトラックに乗るような仕事って4tトラックにも乗らなければならないシーンが結構あるんですよね。ただ4tトラックは限定なしの準中型免許でも運転できないので仕事のためっていう方はやはり中型免許を取った方がいいと私は思います。

 

最後にざっくりとまとめると……

普通免許を更新したら何故か準中型免許になっていた人は

①運転できる車はこれまでと一切変わりません!

最大積載量3t未満&車両総重量5t未満、例えばレンタカーで借りる2tアルミショートなどが限界というわけです。

②準中型車全てを運転したければ、教習所で限定解除が必要!

準中型車すべてに乗るためには教習所に通い、5t限定という条件を解除するための教習を受け、免許センターで所定の適性検査をクリアする必要があります。

③トラックを運転するときは必ず車検証の最大積載量と車両総重量を確認して!

本当にこれだけは気を付けてください。普通免許を更新したら何故か準中型免許になっていた人が例えば3tトラックを運転したら条件違反で捕まります。もっと言うと、これは限定の有無に関わらず、準中型免許の人が定員11人以上のマイクロバスを運転したら無免許運転となり非常に重い罪になります。レンタカーを借りて、別の人に運転を交代する際は必ずその人の免許区分を確認するなどしましょう。

 

免許区分はどんどん複雑化しており覚えるのもなかなか大変だろうと思いますが、皆さんもこの機会に自分が何を運転できて、何が運転できないのかしっかりと把握しておきましょう。

Re:Mindの舞台をゆく 八王子編

前回の記事でドラマRe:Mind最終回に登場した千葉県の「いすみ鉄道」を巡る旅を紹介しましたが、今回はその続編です。

今回訪れたのは東京都八王子市、国道16号線沿いにお店を構える「パペルブルグ」さんという喫茶店です。Re:Mindに喫茶店が出てくるシーンなんてあった?と思われるかもしれませんが、たしかに本編には登場していません。そう、Netflix限定配信中の13話「スピンオフ特別篇」においてのみ登場する、まさに知る人ぞ知るシーン……。

13話「スピンオフ特別篇」では本編が始まる1年半前のストーリーが綴られており、ちょっと趣向の変わった、彼女たちの日常が垣間見える貴重な回となっています。その中で、最初から最後までたびたび登場するのがこの喫茶店。また転校してきた影山がマッシロのメンバーと初めて出会った「悲劇のはじまり」もここ、というRe:Mindにおいても非常に重要な場所なのではないかと勝手に思っています。

www.burg-kaffee.com

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16号を北上して八王子に向かう折、多くの人が3年前に無料化された八王子バイパスを通って向かう中、敢えて旧道を目指して進んで行きます。御殿山という小高い山を上っていると右手に現れる中世ヨーロッパ風の洋館が今回の目的地、「パペルブルグ」さんになります。その独特で不思議な佇まいは遠くからでも目を引きます。

このエントランスには見覚えある方も多いのではないでしょうか。ぜひともNetflixでスピンオフ特別篇を見返してみてください。あのシーンや、このシーンでも……。

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店内も中世ヨーロッパ的な雰囲気で統一されていて、こだわり抜かれた空間に「長居してもいいかな」なんて誘惑にかられてしまいそうです。この雰囲気はまさにRe:Mindの謎の洋館のようで、Re:Mindの世界観に浸れる良い時間を過ごせそうです。勝手な想像でしかありませんが、だからこそこちらのお店がスピンオフの舞台になったのかなと思います。こういう、独特の空間を提供してくれるような喫茶店って良いですよね。

ちなみに、上の写真に写っている窓際のボックス席は加藤井口コンビが高瀬柿崎コンビを呼び出したシーンで使われていましたね。(後に高本京子も呼び出されますが、座席の配置もそのまんまです)ラストの美穂が影山を連れてきてマッシロが12人揃う「悲劇のはじまり」のテーブルセットは通常の営業では見られないものなので、貸切営業でしか……。いいですよね。こういうところで貸切パーティとかしてみたいですよね。f:id:momocura:20180315174818j:plain

コンセプトが統一された店内の雰囲気もさることながら、コーヒーがすごい!下調べをしたときにかなりの評判だったので楽しみにしていましたが、予想以上でした。ブレンドを注文しましたが、クセのないスッキリとした飲み味で大変おいしくいただきました。2杯目から半額というのもコーヒー好きには嬉しいですね。コーヒー専門店としても名が知られているようで、色んな種類のこだわりのコーヒーが楽しめます。

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お昼前で小腹が空いていたので、アップルパイも注文しちゃいました。季節限定?のようです。サクサクのパイ生地にしっとりしたリンゴが美味しい~。フードメニューも豊富で、サンドイッチのような軽食からロールケーキのようなデザートまでなんでもあって迷っちゃいますね。

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Re:Mindの舞台めぐりという楽しさもさることながら、なかなかこういう喫茶店は珍しいんじゃないでしょうか。中世ヨーロッパの雰囲気あふれる洋館の中で美味しいコーヒーを味わえる、とても雰囲気のいいお店なので是非とも皆さんも一度訪れてみてください。

 

八王子御殿山コーヒー専門店パペルブルグ

東京都八王子市鑓水530-1 

年中無休10:00am~24:00amまで

JR八王子駅/JR橋本駅より神奈川中央交通バス「自然公園前」バス停下車

駐車場あり

 

 

Re:Mindの舞台をゆく 千葉編

Re:Mindというドラマをご存知ですか?

ご存知でない方は、そして既にご存知の方もNetflixで全話+スピオンオフが配信されておりますので、是非ともご覧ください。やっぱ10話だなあ~。

 

さて、Re:Mindは最初から最後まで不気味な洋館風の部屋で話が進んでいきますので、ほとんどが成城にある東宝のスタジオで撮影されたものです。しかし最終回のエンディングでは「卒業式の後、全員で美穂に会いに行く」というシチュエーションの映像が挿入されており、ここのシーンでは珍しくロケ撮影がなされています。というわけで実際にロケ地まで行ってきました。

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やってきたのは千葉県いすみ市、大原駅です。東京からアクアライン経由、千葉県内は一般道を走行しましたが3時間もかかっていないように思います。車で行かれる際は圏央道市川鶴舞ICから国道297号線→国道465号線のルートが最速であり、道が空いていれば東京から2時間もかからない場所に位置しています。

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なぜ房総半島の東側、「外房」と呼ばれる大原駅までやってきたのかというと、このシーンのロケ地がまさに大原駅であるからです。右に映る風情溢れるディーゼルカーは大原駅を起点とする「いすみ鉄道」であって、このシーンは大原駅のいすみ鉄道ホームで撮影されたもののようです。

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いすみ鉄道は通常1両編成で運行されていますが、ロケ時は2両編成の貸切列車だったようで、1両編成のときとは停車位置が異なるため作中のカットそのままの様子は見られませんでした。しかし、ロケに使用されたこのカラーのディーゼルカー(キハ20-1303)は1両しか存在しておらず、偶然にも遭遇できたことは幸運でした。

逆に言えば、このカラーの車両に出会えたら間違いなくロケで使用された車両ということですので、分かりやすいかもしれません。ただしこの車両の時刻については公表されておらず、出会えるかどうかは運しだいというような状況ですので、予めご承知おきください。

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車内のシーンもこの車両で撮影されています。優先席が設置されている側(上総中野側)からボックスシート2個と反対側の1個にひらがなけやきちゃん達が座って撮影されたようです。推しメンが座った席に座って、推しメン同じ景色を見よう。僕はさっそく柿崎芽実ちゃんのポジションに座りましたが、目の前にきょんこと高本彩花ちゃんがいたんだなあ~と思うと感慨深いものがありますね。ない?そう……。

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推しメンと同じ席に座るには、是非とも始発駅である大原駅か上総中野駅から乗車されることをおすすめします。車で行かれる際は国吉駅の駐車場(無料!)に車を停めて、国吉駅~大原駅の間を往復するのが良いでしょう。

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今回は訪れることが叶いませんでしたが、こちらのシーンは恐らく大多喜駅で撮影されたものではないかと思われます。大多喜駅にも有料の町営駐車場があるほか、品川・羽田空港から大多喜市内への直通バスも運行されておりますので、こちらを探訪の拠点にするのもいいかもしれません。

 

さてひらがなけやきちゃん達の足跡を辿るのも良いですが、せっかく外房まで来たので美味しい物でも食べて帰りましょう。大原は漁港が栄えていますから、海鮮丼なんか食べたくなってきますよね。そこで向かったのが大原漁港にある「いさばや」さん。漁港直結かつ漁協直営のお店なので、大原漁港で水揚げされた新鮮なネタが味わえます!

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ネタの大きさとこのぎっしり詰まった感じがまさに漁港の海鮮丼で、見た目も味も最高です。ちなみに大原漁港の名物で「たこめし」というのもあって、そちらも地だこを使ったたこめしと刺し身を味わえるのでおすすめです。漁港は駅から歩いて20分ほど。駐車場もかなり広いので車があれば便利かも。

もし泊まりでの旅行を希望されるのであれば、養老渓谷温泉がおすすめです。いすみ鉄道の終点、上総中野駅から小湊鉄道で一駅の養老渓谷駅が最寄り、渓流の音が響く静かな温泉です。

 

今回紹介した「いすみ鉄道」は全体的にゆっくりとした時間が流れており、東京から2時間程度の場所なのに都会の喧騒を忘れてのんびり出来る場所だな~と感じました。今回訪問した際にも、国吉駅に車を停めて時刻表を見るとなんと次の列車が来るのは50分後でしたが、猫と戯れたり駅のベンチでボーっとしたり反対方向に向かう列車を見送っていたりしていたら、いつの間にか時間が経っていました。たまにはこういうのもいいな~と思いますので、皆さんも是非ひらがなけやきちゃんたちの足跡を辿りながら、のらりくらりとした旅を楽しんでくださいね。

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「それでも歩いてる」という曲

 先日、2017年楽曲10選という記事を掲載したのですが、その記事を書いた直後に非常に素晴らしい曲と出会ってしまったので、気持ちの昂りを込めて新たに記事をしたためて紹介しようと思います。

それでも歩いてる

それでも歩いてる

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すごい、刺さる。

けやき坂46の「それでも歩いてる」です。曲の方向性としては乃木坂46の「いつかできるから今日できる」に近いものがあるのかもしれません。人生につまづいた者へ何かを語りかける曲のような印象を受けました。だから好きなんだ、と言えばそれまでかもしれません。でも、この曲には乃木坂のような「しなやかさ」みたいな励ましは無くて、ただただ1人の男の吐露を聴いているような気すらします。

サビの歌詞が好きです。「人生とは転ぶもの」なのだと言われます。転んだら立ち上がれと言われます。ひねくれた考えを持ったならば、一度つまづいてしまったら立ち上がれない人だって、この世にはいっぱいいるだろうと思ってしまいます。立ち上がってもまた転ぶだけだって思ってしまう人もいるでしょう。でもサビの終わりに、言い訳のように言うんです。「俺はそれでも歩いてく」と。この曲はどこか言い訳じみているように感じます。

次のサビの歌詞もまた好きです。「人生とは負けるもの」なのだと教わります。「負け方が大事なんだ」と言われます。人によってはそんな根性ではダメだと反感を覚えるしれません。そういう考えの人は、そういう考えで生きていけばいいと思います。でも一度つまづいてしまったときに、人生そのものの価値を疑問に感じてしまうときは、きっと誰しもあるはずです。そんな時に、「人生とは負けるもの」と呟いてみれば、そんなもんだなと思えるのかもしれません。で、最後に言い訳のようにこの「俺」は言うのです。「俺はそれでも歩いてく」と。

この曲は現代社会への強い反感が込められているように思います。自分の人生の価値に疑問をもって、生きる意味を見失う人が多いこの社会で、ただ生きることの何がいけないのかと言っている。人生とは成功か失敗か、勝利か敗北かという二元論ではなく、ただただ歩くことなんだと言っている。この諦観とも捉えられる言葉を10代のアイドルに歌わせるというのが、また彼のいやらしい部分でもあるのですが、「けやき坂46」というグループの声によって伝えられるからこそ伝わるものもあるようにも思えます。

もし、この曲の全てを聴く機会があれば、是非とも歌詞を読みながら聴いてください。言葉とは不完全なもので、僕がこの曲に触れて感じたことをここに全て書き残せたとは全く思えませんが、もしこの記事を読んでくれた人がどこかで行き詰ってしまって、ふとこの曲のことを思いだしてくれたらそれでいいんだと思います。

2017楽曲10選

無職になって暇を持て余すついでにブログを書きたいと思っていたのですが、ちょうどいいところにあった流行に便乗して、今年の楽曲10選について考えていこうと思います。と思ったらふだん聴いている曲の中で今年リリースされたものがあまりにも少ないことに気付いてしまったのでもしかしたら10曲に足らないかもしれません。

 

いつかできるから今日できる/乃木坂46

いつかできるから今日できる

いつかできるから今日できる

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今年いちばん刺さった曲。僕自身、乃木坂のオタクというわけではないんですけど、この曲は本当に好きです。穏やかなピアノ調のイントロと優く語り掛けるようなリリックは、挫折しそうになった者を決して責めるものではありません。しばらく聴いていると、この言葉は自分自身に言い聞かせているものなんだなと感じます。映画「あさひなぐ」のメインテーマということで、歌詞も作品の内容に掛っているのかもしれませんが、人生につまづいてしまったときに聴くと、不思議と「まだやれるんじゃないか」って思える曲です。

MVの構成が映画「あさひなぐ」で主人公を演じた西野七瀬さんと舞台「あさひなぐ」で主人公を演じた齋藤飛鳥さんの対比になっててエモい。

 

逃げ水/乃木坂46 

逃げ水

逃げ水

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やはり僕自身、乃木坂のオタクというわけではないんですけど、2曲続いてのランクインです。発売が8月だったのですが、乃木坂の代表曲でもある裸足でSummerとはまた違った、「夏」を情緒的に感じさせる曲になっています。ポイントは「本当に気持ちがいい」としか表現できないほどの一切の不快感のない爽快なメロディであって、サビ前に挿入される束の間の「月の光」は、その例を見ない手法に「実験的楽曲」とまで評されるほど多くの反響を呼びました。

「逃げ水」というタイトルが具体的に何を指し示しているのか、それは色々とあるんでしょうけれど、夢であるとか恋であるとか「そこにあると思っていたのに近づいたら見えなくなってしまうモノ」の儚さを謳うことが、これほど夏という季節に郷愁を覚えさせるのかと感動します。

福岡を代表するアイドルであるところの与田祐希さんが大園桃子さんとWセンターを務めた曲でもあるのでエモ過ぎる。

 

TAILWIND/TrySail

TAILWIND

TAILWIND

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アルバム収録曲やB面曲でえげつない強い曲をぶっ混んでくることで有名なTrySailさんですが、まーーーーーーーーーーーっじで強い曲が来てしまったみたいですね。もう出だしの夏川椎菜さんの歌声で「あーーーーこれもう負けたわ完全に負けたわ」状態になりました。Sail OutがTrySail第1期のメインテーマであるならば、これは紛うことなき第2期のメインテーマですね。こういうこと言うとお前は勝手に何を言っているんだと批判されかねないのですけど、おれは詳しいんだトラハモくんが存命の頃から3人を応援しているし何ならステージ見学にも参加したことがあるんだおれが正しいんだ。それはどうでもいいんですけど、あの日本青年館での公開録音に始まり、持ち曲が2曲しかない中でパシフィコで1stライブをやった頃からすると、今はたぶん最初のステップはもう乗り越えたと思うんですよ。だから次なるステップを乗り越えていくときに、これは3人の背中を押す曲になると思うし、大事にしてほしいなって思います。

 

adrenaline!!/TrySail

adrenaline!!!

adrenaline!!!

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人類がかつてチンパンジーと同一の存在であったことを思い出させる一曲。

 

ちゅるちゅるちゅちゅちゅ/every♥ing!

ちゅるちゅるちゅちゅちゅ

ちゅるちゅるちゅちゅちゅ

  • every❤ing !
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 かつて僕が木戸衣吹さんと握手して女の子の手の柔らかさに驚いた(当該記事)every♥ingさんを代表するキュートでポップなラブソングが今年発売となっております。曲名だけ見ると思わずこれはふざけすぎやろと口に出してしまいかねないものですが、それは曲を聴いてからにしてください。もう、甘い。甘すぎるんです。恋愛とはこんなに甘いものかと驚かされます。ゴーヤよりも苦い恋愛経験しかない僕にとっては糖尿病になってしまいそうなくらい甘々なラブソングです。でもそれがevery♥ingさんのフレッシュネスな若々しさと上手く噛みあっていて、気付かぬうちに「ちゅるちゅるちゅちゅちゅ」と口ずさんでいることでしょう。恋は盲目というのはよく言ったものですが、そんなこそばゆいほど甘い時間をちょっとでも味わえる幸せな一曲であります。

 

打上花火/DAOKO×米津玄師

打上花火

打上花火

  • DAOKO×米津玄師
  • J-Pop
  • ¥250
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この曲をピックアップしたことで僕が日和見なオタクだと思われてしまうことはわりとどうでもいいことなんですが、曲が良いんです。イントロからスローテンポで夜の静けさを体現するようなメロディがAメロBメロと続き、しんみりとした気分に入り浸っているところにサビで突然のオケがドバーンと入る展開はまさに打上花火を味わうかのようなエクスタシー。硬派なオタクぶるならば、この作曲者には敢えて反感を表さなければ示しがつかないみたいなところはあるんですが、この曲の構成には手を挙げて賞賛するしかない。

 

誰よりも高く跳べ!/けやき坂46

誰よりも高く跳べ!

誰よりも高く跳べ!

  • provided courtesy of iTunes

実際の発売年は2016年だろうと、けやき坂ファンの皆様には怒られてしまうかもしれませんが、アルバム収録は今年ということでお目こぼしください。もう、曲の気持よさがハンパない。曲だけじゃない、歌詞の気持よさがヤバい。気持ち昂るイントロを経ていきなり「誰よりも高く跳べ!」「助走をつけて大地を蹴れ!」「すべてを断ち切りあの柵を越えろ!」ですからね。なぜか曲を聴き始めて30秒も経たないうちにわれわれは命令されているわけです。それにしても一切の強制感がない。あまりのメロディの心地よさに誰に言われるでもなく、その場で飛び跳ねたくなってしまうのではないでしょうか。

不思議なのはこの曲もまた欅坂らしい「抑圧からの解放」みたいなことを謳っていることです。一体その抑圧とはなんなのか?「大人」「鎖」「柵」といったワードは何を隠喩しているのか?全く分かりません。「サイレントマジョリティー」が示唆的であるというのは、その通りだと思いますが、一方で似たようなフレーズが並ぶこの曲はそういったものを一切感じさせない。恐らくそれは、この曲が「独立への賛歌」だからではないでしょうか。独立というのは、支配からの独立であるとかポリティカルな意味などではなく、人間が人間として独立するということです。自我を持って、自分が進みたい向きに飛び立つことへの素晴らしさを謳っているからこそ、そよ風のように心地の良いメロディラインが耳に残るのでしょう。そして、こういう屁理屈めいた邪推は至極どうでもいいので、是非とも上記の試聴ボタンを一度押してみてください。

 

 

 

そして結局7選で終わってしまった。